伊豆八十八ヶ所遍路 三日目

トレッキング記録

昨日に続き、伊豆八十八ヶ所霊場の巡礼三日目です。今日も快晴で清々しい日となりました。第十四番札所の慈光院から巡礼スタートです。慈光院は原木駅から約2.2km、30分ほどの道のりになります。

十四番札所 慈光院 (じこういん)

もともとこのお寺は、光明遍照金剛梅林寺梅香院という真言宗のお寺でしたが、当時近辺に住んでいた龍を多田入道実正が退治したところ、村内に悪疫が続出して村人を悩ませました。恐らくは龍の祟りであろうと、実正は龍の戒名を「龍泉院殿慈光浄水庵主」として永正7年(1510年)に弘法大師作とされる延命地蔵尊を本尊とし、昌渓院の二世菅谷宗祈禱を請し、龍の戒名から龍泉山慈光院と名付けて曹洞宗の寺院としました。

十五番の高岩院までは、2.2km、およそ30分の道のりです。

十五番札所 高岩院(こうがんいん)

畠山道誓国清夫人(松寿院殿)、上杉憲顕夫人(華頂院殿)両名を開基として建立されました。

次の興聖寺までは、4.6km、約1時間の徒歩となります。

十六番札所 興聖(こうしょうじ)

南渓が延徳元年(1489年)に建立しました。このお寺にはマリア観音像が寺宝として保存してあるそうです。他宗教のキリシタンも受け入れる寛容さが仏教の良いところですね。現代の多様性の受容にもつながるなあとしみじみ感じながら歩いていきます。

興聖寺の和尚さんから、巡礼の労を労うお言葉と、冷たいお茶、和菓子をいただきました。まず一ついただくと、一つといわず何個でも持っていってくださいと。気が付くと喉はカラカラでしたし、疲れて休憩が必要な時間帯でしたので、大変ありがたく頂戴し、少し歩いた広場の傍らに座っていただきました。ぜいたくなカフェでのひと時ももちろん良いですが、こうして巡礼の途中でいただく施しをしみじみ味わい、生きている喜びをかみしめる思いに浸ります。

さて休憩もして、お腹も満ちたことですし、次の泉福寺までの旅路を続けましょう。泉福寺までは2.6km、35分ほどの距離となります。

十七番札 福寺(せんぷくじ)

創立年代等不明で、もともと元屋敷にあったものを、元久年間(1204-1206)に中ノ坪に移転、そして寛保二年(1742年)に現在地に移転。

泉福寺から崇徳院までは、1.3km、17分の道のりになります。

十八番札所 崇徳(そうとくいん)

当寺院の開創は延期年間(901〜923年)に真言宗の僧侶がこの地に霊感を得て堂を立て、地蔵菩薩を本尊として安置したのが発祥と伝えられています。源頼朝が韮山の蛭ヶ小島に流罪になった際、鎌倉に入るまで100日間の祈願を立て、三島大社に日参すると共に、この寺の本尊・延命地蔵尊を旗揚げの祈願仏としてお参りしたと伝えられています。

お寺の屋根の形が独特で、写真のように、山門からちょうど突き出たように見えます。次の蓮馨寺までは、3km、およそ40分の行程となります。

十九番札所 蓮馨(れんけいじ)

正慶二年(1289年)、浄土宗の僧星誉によって開創された。しかし秀吉の小田原征伐の際に三島焼払いで焼失し、その後も度重なる災害に見舞われて詳細なことは分からないとのことです。

こちらのお寺では、和尚さんの奥様が労ってくださいました。私は白装束といっても、Tシャツとスポーツ用のタイツに短パンを上から履いているのですが、それに輪袈裟、という恰好で歩いています。和尚さんの奥様は、それでも白装束に輪袈裟をほめてくださって、お堂にご案内してくださいました。毎日参拝者がいるでしょうに、こうして丁寧な対応をしてくださると、本当に気持ちがよいですね!

二十番の養徳寺までは、7.3 km、1時間43分の道のりです。

二十番札所 養徳寺(ようとくじ)

足利時代の嘉慶元年(1387年)、僧の用固によって開創されました。

次の龍澤寺までは9.5km、2時間15分ほどかかりますので、ここでは電車とバスを利用しました。大場駅まで駅まで2.5kmで30分、電車で大場駅から三島駅、そこから富士ビレッジまでバスきたうえ号で8分ほどの乗車となります。富士ビレッジから1.2km、徒歩15分ほどです。

二十一番札所 龍澤寺(りゅうたくじ)

ここ龍澤寺では、平成に入ってから参道に「天保十五年」(1844年)と彫られている巡拝記念の石碑が発見されたそうです。このお寺は空海の開創であるといわれており、慶長の年中に臨済宗に改修され、その後松陰寺の白隠が来住して妙心寺派の寺になったと伝えられている。こちらでは修行僧さんがご対応くださり、私が納経帳を差し出すと、もう文字が書いてあり朱印を押せばよいことにちょっと感動されているご様子でした。白い紙を渡される場合もあるのでしょうかね…。その場合はお寺の名前やら書かないといけないので、お忙しい修行僧さんにはお手間ですものね。とてもご丁寧にご対応いただきましたよ。素晴らしい和尚さんになってくださいませ。

さて次の崇福寺までは7.4km、1時間54分の道のりです。ここは最後の力を振り絞って歩きます。

二十二番札所 福寺(そうふくじ)

到着が17時近くなる旨連絡をしたところ、ご親切に「待っていますよ」とお返事をいただきましたので、今日の最後の巡礼として向かいました。宗福寺は、秀吉の小田原征伐の折に、山中城攻略の戦いの戦死者追悼のため、延宝元年(1673年)に法華寺三世橘庵明洲によって創立された寺です。

一日じゅう良く歩きましたので、今日はフルーツパークバス停から三島駅までバスで帰ります。

これで本日の巡礼は終わりです。各お寺の和尚さん・奥様・修行僧の皆さまありがとうございました。そして今日も一日無事に歩けましたこと、感謝いたします。では次の巡礼を楽しみに!

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